生ハムもチーズも?妊婦が注意すべき食べ物まとめ

双子

国際結婚や海外駐在などでヨーロッパ滞在中に妊娠がわかったら、日本で妊婦生活を送るのと何が違うのでしょう?実は日々、口にする食べ物で気をつけるべきものがたくさんあります。

チーズに生ハムなど、ヨーロッパならではのおいしい食べ物に落とし穴があるので注意しましょう!

好きなものがどれも食べられない!?

ヨーロッパらしい食事と言えばパン、ワイン、チーズ、ハムに…というイメージだった私。妊娠したらアルコールやコーヒーが飲めなくなるのは知っていましたが、あるとき妊娠中の友人から聞いたのが「ヨーロッパでは妊婦は生野菜を避けたほうがいい」という話。

そのあとすぐに自分の妊娠もわかり、友人の話を思い出して調べてみたところ、日本ではあまり食べられていないけどヨーロッパではよく食べられている、妊娠中は避けるべき食材がたくさんありました。

日本と食生活が違うので日本の病院ではあまり注意されないし、ヨーロッパでは常識だからかお医者さんから特別何も言われないことも(実際、私の先生からは特に食べ物に関する注意はありませんでした。)

知らずに後悔しないよう一覧にしたので、ヨーロッパで妊娠がわかった人や出産予定の人はぜひ目を通してくださいね。

怖いのはトキソプラズマ症とリステリア菌による食中毒

トキソプラズマ症とは

加熱不十分の食肉を食べたりや、猫の排せつ物に触れたりすることでトキソプラズマという寄生虫がヒトの体内に入って感染するのがトキソプラズマ症です。感染してもほとんどの人は特に症状はでませんが、妊娠中に初めてトキソプラズマ症に感染すると胎児にうつる可能性があります。

トキソプラズマ症について詳しい情報はこちら(国立感染症研究所のサイトが開きます)

日本では患者数は非常に少ないですが、ヨーロッパではよくある病気でフランスでは妊婦のうち40〜50%が抗体を持っていた(=すでにトキソプラズマ症にかかったことがあるということ)という報告もあります。

理由はヨーロッパの土壌にトキソプラズマが多いことにあるようです。一方日本では抗体を持っている人は少ないので、ヨーロッパで妊娠中にトキソプラズマ症にかからないように注意しなければいけません。

ヨーロッパでは通常、妊娠初期の血液検査で抗体があるかどうかを調べますが、妊娠中にヨーロッパに移動した人は自分から検査をお願いした方がいいでしょう。また日本でも心配な人は調べてもらえるようです。

最近では、妊娠初期の血液検査でトキソプラズマ症の検査をする病院も増えてきました。すでに血液検査を受けている妊婦さんは、検査項目を確認してみましょう。

ライオン育児と乳歯の情報サイト「ママ、あのね」

リステリア食中毒とは

リステリア食中毒とは、リステリア・モノサイトゲネスという細菌による食中毒です。リステリアは河川水や動物の腸管内などどこにでもいる細菌ですが、リステリアが増殖した食べ物を食べると食中毒を起こします。

リステリア食中毒を発症するとインフルエンザのような症状が出ます。妊婦や高齢者は症状が重くなりやすく、最悪の場合、死に至ることもあります。また胎児に感染する可能性もあります。

食中毒の原因がリステリアだと特定するのが難しいため、日本ではリステリア食中毒の発生報告はないのですが、年に200人程度が感染していると推定されるそうです。

リステリア食中毒について詳しい情報はこちら(一般社団法人日本顕微鏡院のサイトが開きます)

避けるべき食べ物

さっそく、まずは妊娠がわかったら避けるべき食べ物を紹介します。

ハムやベーコンなどの食肉加工品

生ハムやサラミ、レアのステーキなども避けましょう。

スモークサーモンなどの魚介類加工品

リステリアは4℃以下の低温や、12%食塩濃度下でも増殖できるので、冷蔵保存や塩漬けしてあるものでも安心できません!逆に高温には弱いので、中心部までしっかり加熱すればOKです。

食べれるけれど注意が必要なもの

つづいて、妊娠中でも食べれるけれども注意したほうがいい食べ物です。

生野菜や果物 よく洗えばOK、外食では避けたほうが無難

土壌にトキソプラズマの卵を含んだ猫の糞が混ざっていることがあるので、妊婦が生野菜や果物を家庭で食べるときはよく洗うようにします。

外食の場合はしっかり洗われているか確認できないので、生の野菜や果物は避けたほうが無難です。過去にはコールスローサラダなどでもリステリア食中毒になったケースがあるので、サンドイッチなどの具材にも注意しましょう!

チーズ ナチュラルチーズはNG、ハードタイプやpasteurisedならOK

妊娠中でも食べられるチーズと、避けるべきチーズがあります。

妊婦が食べてもOKなチーズかどうかを確認するときに使えるのが”pasteurised(パステライズド)”というフレーズです。

チーズなどの乳製品のパッケージにこの文言が入っていれば殺菌済みなので妊娠中に食べても大丈夫です。フランス語の場合は”pasteurisé(e)(パスチュリゼ)”です。逆にunpasteurised,unpasteurisé(e)と書いてある場合は食べてはいけません!

買う前にパッケージを確認したり、お店の人に聞くと安心です。

【OK】ヨーロッパで妊婦が食べられるチーズ

  • ハードタイプのチーズ、チェダーやパルメザンなど
  • カッテージチーズやモッツァレラ、フェタチーズ、クリームチーズ、リコッタチーズなど

【NG】ヨーロッパで妊婦が避けるべきチーズ

  • ブリーやカマンベール、シェーブルなど白カビ系チーズ
  • ゴルゴンゾーラやロックフォールなどのブルーチーズ

外食やテイクアウトのとき

妊娠中はつわりもあるし、大きくなったおなかでキッチンに立つのは大変ですよね。そんなときに便利なのが外食やテイクアウトですが、妊娠中のメニューの選び方のポイントを説明します。

ファストフード 生野菜抜きをリクエストできればOK

ヨーロッパでメジャーなファストフード店といえば、マクドナルドやバーガーキングなどのハンバーガーショップケバブサンドイッチなどですが、どれも生野菜が入ってることがほとんどなので気をつけましょう。

私が妊娠中にベルギーのバーガーキングで野菜なしメニューを探したところ、ダブルチーズバーガーしかありませんでした…ちなみにチーズバーガーに使われているのはチェダーチーズなので大丈夫です。

それ以外のメニューが食べたい場合は「野菜なし」をリクエストしてみましょう!その場でつくるタイプのお店なら応じてもらえるはずです。

日本食 寿司や刺し身は避けたほうが無難

海外で暮らしていると恋しくなる日本食ですが、寿司や刺し身は避けたほうが無難です。最近ヨーロッパでも寿司チェーンが増えて以前より寿司を食べる機会が増えているかもしれませんが、魚の鮮度の管理が日本ほどきちんとしていないと聞いたことがあります。

万が一のことがあってはいけないので、寿司や刺し身は出産後のお楽しみにしましょう。

中華 火が入ったものばかりで安心

ヨーロッパで妊娠中の外食のおすすめは中華です。中華は炒める・焼く・蒸すといった火を通す料理がほとんどなので、妊婦でも安心して口にできます。

メニューを選べば野菜も多く食べれてヘルシーなので、妊娠中で料理が大変なときは中華レストランが大活躍です!

まとめ

日本では高い生ハムやチーズも手軽に楽しめるのがヨーロッパ生活の醍醐味ですが…残念ながら妊娠中は我慢です(涙)

慣れない海外で妊娠期間を過ごすのは大変ですが、この記事で少しでも不安や疑問が晴れますように。

さらに詳しい情報が知りたい人は下の参考サイトも見てみてくださいね。

参考にしたサイト

妊婦さんおよび妊娠を希望されている方へ(国立感染症研究所)

【産科医監修】妊婦さんが気を付けたい感染症「トキソプラズマ症」(ライオン育児と乳歯の情報サイト「ママ、あのね」)

食品安全総合情報システム(食品安全委員会)

リステリアによる食中毒(厚生労働省)

妊婦や基礎疾患を持つ人が注意しなければならない食中毒~リステリア~(東京顕微鏡院)

Foods to avoid in pregnancy(NHS)

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