ベルギー生まれの双子の妊娠から海外での出産までの記録です。今回は双子を自然分娩で出産した日の記録です。
出産当日(36週5日)

まさかの破水からお産がスタート
いつものようにベッドでゴロゴロして過ごしていたその日。トイレに行くためにベッドから起き上がるとおりものが出るときのような感覚を覚えました。しばらく前から頻尿になっていたので、「え、尿もれ?」と慌ててトイレに移動して座っていると、再びシャーっと水が。
初めての経験でしたが、あまりにも普段と違う様子にこれは破水だ!とすぐ確信しました。とりあえず生理用ナプキンを当ててお風呂場へ移動し、バスタオルを股にはさんで夫に声をかけます。
本当に幸いなことに夫が休みで家にいたのですぐに車で病院へ送ってもらいました。実は当日の午前中もNSTを受け、何も言われず帰宅したところだったので本当にびっくりしました。なにより自分の母親や友人含めて破水を経験した人の話を聞いたことがなかったので、まさか自分がそうなるとは夢にも思っていませんでした。
病院は診療時間が終わっていたので救急の窓口に行きました。車椅子に乗せられ、すぐに分娩室へ。
分娩室に入り、すぐに分娩台兼ベッドに寝かされる私。
すべてがあっという間
助産師さんからいつもの産婦人科医に連絡してくれ、すでに夜遅かったにもかかわらず病院到着から2時間後に先生が来てくれました。先生の見立てではあと4時間くらいだね、と。
先生が来るまでは陣痛の間隔はまちまちでしたが、だんだん30分〜15分おきくらいに。その後、赤ちゃんが苦しそうだからと言われ、促進剤を少し入れてもらいました。
促進剤を入れてから少しして、陣痛の痛みが強くなってきたので麻酔を打ってもらうことに。双子で自然分娩の予定でしたが、万が一のことがあれば途中で帝王切開になる可能性があるので麻酔=無痛分娩にすることはあらかじめ決まっていました。麻酔のための注射はこれまで経験したなかで一番痛くて、ううっと声が出るくらいだったのですが…
少しして麻酔が効いてくるとその効果に感動。陣痛が少し重めの生理痛くらいの痛みに変わって、もともと生理痛が重いタイプの私にとっては何でもないくらいの痛みでした。出産直前まで夫や先生と話す余裕があったくらいです。
逆にこれではタイミングがわからなくなるのでは、と感じるくらいでしたが、15〜30分おきに助産師さんが様子を見に来てくれました。そして、いきみたい感じがしてきたらナースコールを押してねといって部屋を出ていってから数十分後。
痛みはないのですが、トイレに行きたいときのような、腰から股のあたりになにかあるような感覚を覚えました。これが「いきみたい感じ」かも!と思いナースコール。
すぐに助産師さんが来てくれて確認し、準備OKだね、と言うと産婦人科医の先生を呼んできてくれました。
出産開始は病院到着から6時間程経った頃でした。助産師さんの合図で5,6回いきんだところで兄が誕生。すぐに胸元にのせてもらいましたが、感動をしっかり味わう間もなく次は弟です。1人目が生まれてから15分以内に2人目が生まれなければ帝王切開に変えると言われていましたが、弟も無事、兄と16分差で生まれてきてくれました。
双子はNICUへ
生まれてきた双子はお人形かと思うほど小さくてひょろひょろでしたが、この子たちがずっとおなかにいたんだと思うと感動で涙が出そうでした。
二人の体重は兄・2160g、弟・2050gで実際は健診で聞いていた数字より少なかったです。カンガルーケアのあと、早産かつ低体重のため、双子は検査のためにやはりNICUに入ることになりました。私は麻酔が切れるまで歩くことができないので、ベッドごと自分の部屋へ移動しました。
二人が生まれるまで破水から8時間、病院に到着してからは約7時間後のことでした。
あっという間すぎて気持ちがついていかない
ネットでは破水から出産まで12時間ほどかかったという話を読んでいたので、自分もそれくらいかかるのだと思いこんでいた私。先生の言葉を聞いても、初産だしそんな早いわけないと思ったのですが、まさかの先生の言った通りのタイミングでお産開始となったのでした。
想像していたよりずっと順調にお産が進んでしまったことで、良いことだとわかってはいるものの自分自身の気持ちが追いついていない感じがありました。双子がNICUへ行き別室になったせいもあると思いますが、おなかが軽くなったのと胎動が感じられなくなったのが寂しかったです。また双子の体重が健診で聞いていたより少なくてショックでした。
産後、私は2泊3日で退院。双子のNICUの部屋に泊まり込む日々
ベルギーでは出産の場合、通常2泊3日で退院です(帝王切開なら3泊4日)。
この短い時間の間に自分自身のケア&新生児のケアを教えてもらって退院しなければいけないのだから、無痛分娩を選ぶ人がほとんどで体力の回復が早いとはいえ、かなりハードだと思います…
私は双子がNICUにいたので、入院中ゆっくりできたのはある意味よかったと思うようにしました。出産当日は気持ちがついていかず少し落ち込んだりしましたが、すぐに立ち直れたのも部屋で一人で休めたおかげかもしれないと思います。
双子はNICUに3週間滞在
私が部屋で休んでいる間、NICUで検査を受けた双子。二人とも健康面で特に大きな問題はないものの、小さすぎて母乳はおろかミルクもうまく飲めないということでしばらくNICUにいることになりました。
私の退院後は双子がいるNICUの部屋に簡易ベッドが備え付けられていたのでそこで寝泊まりするようにしました。
双子が退院できたのは自力で哺乳できるようになった約3週間後、36週で生まれたのでもともとの予定日付近のことでした。
NICU入院中の話はまた別の機会に書きたいと思います。
妊娠から出産まで長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!
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