双子の育児で一番大変な時期が生まれてすぐの3ヶ月間。この時期はひたすら繰り返される授乳・おむつ替え・寝かしつけでママは文字通り寝る暇がなく、体力的に一番キツイです。
本来は自分の母親など家族の助けが最も必要な産後すぐの3ヶ月間ですが、いろいろな事情で夫婦のみで乗り切らなければいけないこともあるでしょう。私も海外で出産したため、実家などの助けが得られず夫婦だけで双子の面倒を見なければいけなくなりましたが、双子が滞在していたNICUでの経験や本・インターネットなどを参考に赤ちゃんの睡眠リズムをつけ、なんとか3ヶ月間を乗り切ることができました。
- 家族など夫婦以外の助けがない
- 仕事があるパパに夜中はあまり無理させたくない
- でもママもそれなりに寝たい
というちょっと矛盾した願いが叶う、私が実践した方法を紹介します。子どもの性格もありますし、いろんなケースがあると思いますが、少しでも参考になるところがあれば幸いです。
一番重要なことはいかにママの睡眠時間を確保するか
生後すぐの3ヶ月間を乗り切るために、私が決めていたのは次のことです。
- ママの睡眠は細切れでも合計6時間以上確保
- 夜(19時〜翌7時)の間に6時間以上寝る。昼寝はできたらラッキー程度、あてにしない
- 双子の寝る時間を揃えるために、授乳の時間を決める
もともとしっかり睡眠を取らないと頭痛がしたり、気分が悪くなる体質だったので、睡眠時間の確保を最優先に考えていました(もちろん双子の方が大事なので、この通りにいかないこともありましたが…)
昼寝は結局ほとんどしなかったし、できませんでした。夜に寝かすことに集中していた分、昼間は双子のどちらかが起きていたり、私も家事があったりでそこまで余裕がなかったです。その代わり、いっそう夜にしっかり寝ることを考えるようになりました。
また夜寝て朝起きるリズムを崩さないことは、ママのメンタルヘルス(産後うつ対策)にも効果があるそうです!
NICUでは赤ちゃんの授乳の時間がきっちり決まっていた
生後すぐから3週間ほどNICUにいた双子。NICUでは母乳・ミルクの時間は3時・6時・9時・12時ときっちり決められており、毎回約40分で二人分の授乳&おむつ替えが終わっていました。初めは看護師さんの手伝いがありましたが、徐々に私一人で終わらせることができるように。
退院したあともこれを参考に、夜間以外はなるべく双子には決めた時間に授乳し、授乳の回数がやたらと増えないようにミルクも足していました。我が家では母乳とミルクを交互にあげていたことでバランスが取れていたようです。
生後すぐは赤ちゃんがほしがるだけ母乳をあげ、赤ちゃんが眠いときに寝かせるという考え方もあるようですが、ワンオペ・双子では無理です!赤ちゃんにも小さいうちから協力してもらうスタンスで。
産後はホルモンのおかげで寝なくても大丈夫、なわけない
出産で受けたダメージを回復する間もなく始まるのが容赦のない頻回授乳。生後すぐは3時間に一回以上、一日に8回以上の授乳が必要だと言われます。
双子だとその倍。実際にはもっと頻繁に泣く子も、寝付きがよくない子もいるのに、ママの体は睡眠不足でも大丈夫なのでしょうか。
産後に分泌されるホルモンの影響などにより、ママの体は細切れ睡眠でも大丈夫なように変化するという説があるようです。
産後は、とくに赤ちゃんに母乳をあげることで分泌されるプロラクチンの作用などにより、ママは赤ちゃんの睡眠リズムに適応できるといわれています。つまり、こま切れ睡眠でも大丈夫なように体が変化しているという考え方です。
産後うつのリスクも!産後の「眠れない辛さ」はホルモンの変化だけでは乗り切れない!
しかし赤ちゃんの頻回授乳は約3ヶ月、そのあとも夜中に何度も起こされる日々が数ヶ月続きます。その長い期間をホルモンの変化だけで乗り切れるわけがないのは、考えてみれば当然ですね。
睡眠不足は産後うつの原因にもなるから甘く見ないで
睡眠不足は体の不調や肌荒れなどを引き起こすだけでなく、イライラしてパパとの関係が悪くなる原因となることもあります。さらに長期間、睡眠不足が続くと高血圧や糖尿病などの病気のリスクが高まったり、ときにはママの命にもかかわる産後うつになるリスクを高めます。
一日二日であれば多少無理をしてもすぐに取り返せますが、赤ちゃんのお世話は長期戦。慣れない双子の育児でがんばりたくなる気持ちはよくわかりますが、ママが元気でいてこそ、双子も元気に育つのです。
双子はとにかく睡眠リズムを揃えることを意識
月齢に関係なく、双子の育児が少しでも楽になるかどうかの分かれ目は、双子が同じタイミングで寝てくれるかどうか。双子のどちらかが起きていれば、結局ママは起きてお世話をしなければいけなくなるからです。
双子の睡眠リズムを揃えるには同時授乳が理想だけどできなくても大丈夫
双子の睡眠リズムを揃えるには同時寝かしつけが欠かせません。そのためには二人の授乳・おむつ替え・寝かしつけを同時進行するのが理想。同時授乳ができればベストですが、体が小さくて首もすわってないフニャフニャの新生児を同時授乳するのは大変ですよね。
私も双子がNICUにいたときに授乳クッションを使って看護師さんと練習しましたが、結局自分一人ではクッションの上に赤ちゃんをのせたりおろしたりができず、夫が手伝ってくれる休日しか同時授乳はできませんでした。
それも、毎回手伝いをお願いするのが億劫になり、結局双子が小さいうちは同時授乳はせず、一人ずつ手短に(1人10分くらい)に片側ずつ授乳することに。
その代わり双子にミルクを飲ませるときには、バウンサーを使って同時にあげたり、一人に授乳(両側10分ずつ)、一人には搾乳して哺乳びんにいれた母乳をあげるなど、なるべく二人がおなかいっぱいになるタイミングを合わせることを意識していました。(哺乳びんを使うと、直接母乳を飲ませるより早く飲んでくれるので、一人ずつに授乳するよりもタイミングを揃えやすくなります。)
19時の寝かしつけのときにママも赤ちゃんと一緒に寝よう!
生まれてすぐの赤ちゃんに昼夜の区別はできませんが、それでも最初から昼と夜のメリハリをつけたほうがママの体の負担も軽減されます。
具体的には赤ちゃんが一番よく寝るタイミングを夜にもってくること、そしてそのタイミングでママも寝ることです。
これで2時間しっかり、パパの協力があれば5時間近く寝ることも可能な方法です!
19時から夜だと赤ちゃんに教える
我が家では19時から翌朝7時までを双子の「夜の睡眠時間」、それ以外を昼寝ととらえていました。双子の就寝時間を19時から7時に決めた理由は次の本を参考にしたからです。
読みやすい漫画版もあります。
授乳・ねんねのスケジュールづくりには定番のジーナ式も参考にしました。
赤ちゃんに19時からが夜のねんねだと教えるために私が心がけていたのは以下のことです。
- 赤ちゃんの布団をリビング以外の、完全に暗くできる部屋(ベッドルーム)に置く
- たとえ赤ちゃんが寝なくても19時までにはベッドルームにつれていく
- 19時〜翌朝6時までは必ずベッドルームで過ごさせ、7時までにリビングに移動
- 夜以外はリビングにしいた布団で寝させる
19時の寝かしつけのとき以外はねんねの時間がずれてもあまり気にしないようにしました。赤ちゃんが眠くなって18時に寝てしまうことはあっても、昼間に寝すぎて19時に寝られないことがないように意識します。
そして重要なのが19時の寝かしつけのときにママも一緒に寝てしまうこと。
19時頃からパパと晩ごはんを食べたり、家事をしたりしているママは多いのではないでしょうか?
でもこの方法で19時を赤ちゃんの夜のねんねの時間と決めると、だんだん赤ちゃんの睡眠リズムが整ってきて、少なくともこの19時のタイミングでだけはぐっすり、長めに寝てくれるようになります。月齢が低いうちは赤ちゃんは2−3時間おきに起きるのが普通なので、19時に寝かせてもたぶん22時までに起きてしまうでしょう。でもこれが深夜や昼間だと2時間よりもっと短いスパンで起きてしまうことも。
そうなるとママは全然休めません。私の経験からいうと、2時間以上続けて寝られないと(たとえば1時間とかで起こされると)かえってしんどくなることが多かったので、1日のなかで2時間以上寝られる可能性が一番高いこのタイミングを逃してはいけないのです!
19時に寝かしつけた双子は夜中に何度か目を覚ましつつ、完全に目が覚めるのがだいたい朝6時〜7時頃。私は実質的に一日の半分ほどを子どもたちの寝室で過ごしてたことになります。そう考えるとなんだかもったいないと思うこともあるのですが、おかげで昼間、極度の眠気を感じることなく双子の世話や家事ができたので、かえって効率がよかったのではと考えています。
この時期だけは晩ごはんの片付けはパパにお願いするか、翌朝起きてから一気にやってしまいましょう!
パパの手伝いがうれしいタイミングは22時!
19時に寝た赤ちゃんはおそらく22時までに目を覚まします。もしパパに手伝ってもらえるなら、このときにミルク、または搾乳した母乳を哺乳びんに入れて赤ちゃんに飲ませるのをお願いできるといいですよね。
赤ちゃんの泣き声でママは目を覚ますかもしれませんが、ベッドに横になっていられるだけでも体力の回復具合は全然違うはずです。
22時にパパにミルクをもらった双子が次に起きる0時〜1時頃まで、運が良ければ5時間ほど続けて寝ることも可能です!
パパには3〜4ヶ月の我慢だと伝えて
ママが19時に寝てしまったら、パパが赤ちゃんやママと過ごす時間が全然ないのではと思われるかもしれませんね。我が家はたまたまパパがこの時期だけ朝早く出勤・早く帰宅できたので良かったのですが、そうもいかないおうちは多いでしょう。
その場合は夜の寝かしつけを19時ではなく20時にしたり、逆に赤ちゃんを6時までに起こしてパパが出社前に赤ちゃんと触れ合えるようにするのが良いと思います。
赤ちゃんは生後4ヶ月くらいから少しずつ一度に寝る時間が長くなってきます。
また生まれてすぐから二人を同時に寝かしつけるようにしていると、生後4ヶ月頃には二人が揃って寝たり起きたりするようになっているはず。そうするとママは一晩に3〜4時間続けて寝られることが増えていき、体の負担は一気に楽になります。
赤ちゃんと一緒に19時に寝てしまうママにパパは寂しさを覚えるかもしれませんが、長くても3ヶ月超の我慢だと伝えてなんとかわかってもらいましょう!
実は我が家も一度、夫から不満を訴えられたことがありましたが、なんとか理解してもらいました。生後4ヶ月を迎える頃には私も夜22時まで起きていられるようになったので夫と過ごす時間も増えました。
寂しいかもしれませんが、期間限定なのでパパもがんばりどころです!
まとめ:ママが元気でいることが大事だから
体力的に一番キツイ、双子が生まれてすぐの3ヶ月間を乗り切る方法として
- 双子の睡眠リズムを揃えること
- 19時以降は夜のねんねと決めて、双子に昼と夜の区別をつけさせること
- 思い切って19時に双子と一緒にママも寝ること
を紹介しました。
正直に言って、双子と19時にベッドに入っていた私ですら、夜中にほぼ1時間おきに二人に起こされ、眠たすぎて授乳しながらウトウトし、赤ちゃんを押しつぶすのではないかとヒヤッとしたことは一度二度ではないです。それくらい双子の頻回授乳はキツイですが、ここを乗り切ればニコニコ笑いかけてくれたり、二人で一緒に遊んでくれたり、がんばりが報われたと感じる日が増えてきます!
双子を妊娠中の人にも、まさにいま双子を育てている人にも、私の体験が参考になるとうれしいです。
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